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問題社員の対応 ― 4.降格処分を行ううえでの留意点

降格処分は2種類ある

①懲戒処分としての降格

懲戒処分としての降格とは、従業員に規律違反行為がある場合、たとえばパワハラ、セクハラ、社内規定違反などがあった場合に制裁としての降格行為を指します。

②人事権行使としての降格

該当従業員の力不足などにより役職には適任ではないと判断して人事上の措置として降格する場合を指します。企業には従業員の配置などを決定する権限があります、このことを人事権といい、この権限に基づいて降格処分が可能なのです。

降格処分には2種類あることをご理解いただいたうえで、今度は実際に降格処分を行うために注意すべき5つのポイントをご紹介していきます。

ポイント1:規律違反について証拠がなければ無効

規律違反に行為に対しての制裁処分としての「降格」ですから、その規律違反行為を犯したという証拠がないことには、後々に訴訟となった時、裁判所から降格処分は「無効」であると判断されてしまいます。

規律違反を行った証拠、例えば、パワハラ、セクハラなどではその行為があった時の音声テープ、行為があった日時などを詳細に時系列で記録している資料などをそろえておく必要があります。

ポイント2:就業規則上の降格処分の理由に該当することが必要

懲戒処分としての降格は、就業規則上の降格処分の理由に該当する場合だけ行うことができるという大前提があります。

就業規則には、懲戒の項目があり、どのような場合において降格処分が行われるのかが明記されています。

ですから先述もしていますが、この就業規則は定期的に見直しておくことが必要です。

昨今は、セクハラ、パワハラというコンプライアンス違反行為があった場合は、懲戒処分の対象となります。

創業時に作成した古い就業規則を継続して使用していると時勢にのった判断ができなくなってしまいます。

懲戒処分での降格処分を行いたいのに、就業規則の内容が時流にあっていなくて、降格処分の対象にはならないという事態にならないためにも就業規則は普段から見直すようにしておいてください。

この就業規則の見直しについても、専門家(弁護士)へ相談しながら行うことをおすすめします。

ポイント3:降格処分が重すぎると無効

犯してしまった規律違反行為に対して、降格処分が重すぎると判断されると、その処分は無効となってしまうというルールがあります。「懲戒処分の相当性のルール」といいます。

降格処分を行い、該当の従業員が処分は重すぎると訴訟になった場合、違反行為に対して処分が重すぎると裁判所が判断したのなら、降格して減給になった給与の差額分を支払う必要が出てきます。

訴訟の費用、支払うべき給与などかなりの出費がかかってしまうことで会社側にとって大きなリスクへとつながってしまいます。

降格処分を検討する場合は、その処分が本当に妥当かどうかを慎重に行わなければなりません。

ポイント4:過去に懲戒処分をした行為について降格処分

過去に戒告、減給などの降格処分を行った場合、同じ規律違反行為で2回懲戒処分にはできないというルールがあります。これを一事不再理の原則と呼びます。

懲戒処分は刑事処罰と類似性をもつことから、罪刑法定主義類似の諸原則を満たさなければならないとされており、社内の懲戒処分においても適用されます。

  1. 過去に一度懲戒処分を受けた事由で再び懲戒処分を受けたとき
  2. その当時は懲戒処分にならなかったのに、同じ事由について蒸し返されたとき

過去に懲戒処分になっていないのに、何年もたって同じことで処分されそうになったとなると、従業員の立場からすると不当な降格処分、または退職に追いやる手段だと判断されて反論されてしまうことになります。

他方で、遅刻を繰り返している社員に対して、けん責処分としたとします。

それにもかかわらず、変わらずに遅刻を繰り返した社員を降格処分にしたからと言って、一事不再理の原則は、即座に適用されません。ただ、この場合は、就業規則において、けん責処分が何回か重なったのちにはより重い懲戒処分を課すという一文を明記しておくことが多いです。

ポイント5:降格処分と減給の限度について

1回の減給処分は、日給の半分までが限度と「労働基準法第91条」において規定されています。

参照:労働基準法第91条(制裁規定の制限)
『第九十一条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。』

《日給の半額以上の減給は不可能なのか?》

ただ、減給処分ではなく、「出勤停止処分」や「降格処分」に処するのであれば、労基法91条の規制は受けません。

  • 出勤停止の場合、出勤していない日数分の賃金は不支給
  • 降格処分であれ等級が格下げになることでの賃金の低下

が検討されます。

これらの処分を行うことで、実質的に賃金の減額を行うことができることになりますが、これらの処分は「減給」より重い処分とされていますので、慎重にすすめることが重要です。

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